マンスリーレポート
テレワークしてみた 1/3【概況編】
はじめに
世界を震撼させている新型コロナウイルス。
4月7日(火)、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として7都府県に緊急事態宣言が出され、私たちの生活および働き方が一変しました。
弊社は、本社(福岡),東京営業部,大阪営業部と、すべて当該地域に所在しますので、急遽テレワークをすることとなりました。
テレワークという言葉は、東京オリンピック開催時の交通渋滞回避のための推奨案として耳にする機会が増えましたが、それは関東圏の話で、さらにはIT企業や営業マンがするもので、まさか自分がすることになんて。。。
そこで今回は弊社のWEB上での無料マッピングサービス「47maps」を用いて地域傾向を探っていくシリーズをちょっと離れ、テレワークを開始するにあたっての課題や開始後の出社状況、実際にテレワークをした感想をマンスリーではなく連載形式でレポートしたいと思います。
1. テレワークとは
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つ分けられ、今回は感染防止が目的ですので、自宅利用型テレワークを実施しました。以下、テレワーク=自宅利用型テレワーク(在宅勤務)についてのレポートです。
また、テレワークの普及率など詳細につきましては、次号【実践編】で説明いたします。
2. テレワーク開始にあたり弊社がしたこと
弊社の業務内容は、創業以来培ってきた調査・分析、各種計画策定等を中心としたシンクタンク業に加え、その際に必要となる各種データベースの構築・提供、分析作業および分析結果の活用を高度化するためのパッケージシステム開発・提供を行っています。
これらの業務を行うためシステムやパソコン等を管理する部署があり、当部署が主体となって、テレワーク開始するにあたり複数回検討会議をしました。
そして、セキュリティのことを考慮して、新たなパソコンを準備してもらいました。
また、経営者側からすると性悪説=「テレワークはサボるだろう」と思われるのは無理もありません。
そこで、部署ごとに課題やルールを設けて対応しました。私の部署では、
・ 連絡手段は社内メールと会社支給の携帯電話。
・ 作業の開始と終了時に社内メールで連絡し、必ずその日のうちに日報を登録すること。
日本はハンコ文化であり、どうしても書類提出のために各自出社するのは本末転倒。
・ 書類対応および外部からの電話対応もあることから、1名は出社し対応する。
そうして早い人は4月10(金)から、4月13日(火)には全員スタートすることができ、緊急事態宣言から1週間目でしたが、水面下で準備していたことで運用も迅速で混乱を招くことなく、私的にはスムーズにテレワークを開始することができたと感じています。
3. 弊社の出社状況
当初、緊急事態宣言期間が5月6日(水)まででしたので、4月7日(火)から5月1日(金)までの本社の在宅・出社比率をグラフ化しました。
早期収束に必要とされる「出勤者は最低でも7割減。極力8割減に」という要請を受け、緊急事態宣言の翌週から在宅比率(黄色)が高くなっています。また、会議や出社しなければ確認できないタスクの発生(印刷など紙データの処理)等で、週の前半は出社率が上がるのでは?と仮説を立てていたのですが、ほとんど変動なく一定数を保っています。
しかしながら、やはり8割減というのは、かなり厳しい数字といえます。
では、部署ごとに見てみましょう。部署ごとだとかなりの格差がみられます。
在宅率が低かった黄色(D)とピンク(I)は、業務の都合上、テレワークが困難で出社せざるを得ない部署です。理由は、書類を持ち帰れないこと、通常だと春が繁忙期だからです。
それでも両部署ともローテーション出社で対応しましたが、方法が異なります。黄色(D)の部署は、仕事量や席の配置を基にローテーションを組んだため、大きく変動したグラフになっています。一方、ピンク(I)の部署は、出社人数を決めて対応したため、一定を保ったグラフになっています。
私の部署は赤色(C)のグラフです。前述したとおり出社人数は1名ないし2名ですので、約9割の在宅率を保っています。
また、出社率を作成するにあたり、社内スケジュールを参照しました。そこで目にしたのは、『休み』を登録していること。テレワーク=サボると思われがちですが、我が会社ながら自己管理がきちんとできていると感心しました。
4. テレワークのメリット・デメリット
SNSを参考に主なメリット・デメリット一覧を作成し、私たち(連載担当者)の感想をまとめました。
図4:(1)~(3)まではメリットを感じていたものの、(4)・(5)は全員デメリットばかりです。
私たち(連載担当者)のテレワークの課題は、コミュニケーション不足と自己負担増。特に(4)は、いつもと違う環境だからこそ密にコミュニケーションを取るべき故に、お互いストレスや負担が増加したように思います。
詳しくは、【実践編】に続きます。
5. テレワークができない業種の人に聞いてみた
最後に、テレワークができない業種の3名に、仕事状況を電話で聞いてまとめました(4/29時点)。
どの方も自分がかかってしまったときの影響をすごく気にしていました。
特に、医療関係者の「知ることも仕事。でも、知らなくていいことも知ってしまうので、片時も頭から離れない」という言葉が胸に刺さりました。
そして、「医療関係者として使命感をもってやっているが、いつどこで感染するか分からない。休日どのように過ごしているかの管理はできないので、ひとりひとりの行動を信じるしかない。悪気があって感染するのではないから。」と言われ、そういう人たちのために私たちができることは感染リスクを減らすこと。テレワークやローテーション出社は、かなり有効だと思います。
今、最前線で対応に当たっている医療従事者に感謝のエールを届けようという運動が広がっていますが、感染の不安を感じながら働いている人に、休業して感染防止に努めてくれている人に、我慢を強いられている子供たちや高齢者、すべての人にエールを送りたいと思います。
本当にありがとうございます。そして、みんなでがんばりましょう(拍手)。
次号、「テレワークしてみた 2/3【実践編】」につづく。
<参考資料>
一般社団法人 日本テレワーク協会
https://japan-telework.or.jp/
他業種 Special Thanks
K.Fさん、K.Kさん、R.Tさん
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